研修の実施例

サイエンスコミュニケーター目指す学生がJICA海外協力隊経験者を模擬取材 同志社大学 生命医科学部(京都府京田辺市)

同志社大学 生命医科学部(京都府京田辺市)

 新聞のちから事務局は25年9月2日、16日の両日、同志社大学の教育プログラム「サイエンスコミュニケーター養成副専攻ビジネスワークショップ」に協力。同大学の生命医科学部と法学部、社会学部の学生6人に新聞記者の仕事を体験してもらいました。

時に難解な科学の知識を一般の人にわかりやすく伝える人材「サイエンスコミュニケーター」を養成するプログラムで、読売新聞は2019年から毎年協力。学生たちは事前に新聞記事を教材にして「伝わりやすい文章」について学んだ後、元ベテラン新聞記者の「新聞のちから講師」と一緒に、企業や団体を訪問し、模擬記者会見に臨み、記事を書きます。

これまでは、JR西日本、NTNなど企業の協力を得て実施してきました。今年は、「国際的に活躍できる人材を育てる」ことも意識し、初めて独立行政法人 国際協力機構関西センター(JICA関西)と連携して行いました。

【1日目:9月2日】
 学生たちは神戸市中央区のJICA関西を訪問。午前中、JICAの活動について説明を受け、昼食時には施設内の「JICA関西食堂」でシリア、ナイジェリア出身の留学生3人と一緒にエスニック料理を食べながら英語も交えて交流。海外への理解を深めました。

 午後は、JICA海外協力隊として、中米のエルサルバドルで防災・災害対策にあたった元消防士・山口まどかさんと、西アフリカのセネガルでエイズ対策に努めた看護師・オンバダ香織さんに模擬取材。学生らは熱心に質問し、取材後1時間程度の短い時間で、聞き取った内容を「わかりやすく伝える」文章の作成に取り組みました。

【2日目:9月16日】
 大阪市北区の読売新聞大阪本社で、学生たちは、編集局や新聞印刷工場を見学。その後、1日目に書いた原稿について、デスク経験豊富な元新聞記者の講師から、見出しの付け方や文章構成などについて添削指導を受けました。

 続いて、科学医療部の萩原隆史部長の講話を聞きました。萩原部長は、科学記事が読者から「難しくて、堅苦しい」と敬遠されないように試行錯誤を重ねていることを説明。実際に大学が発表した「難解な」プレスリリースが、「わかりやすく、興味をひく」記事になるまでの課程や工夫を説明しました。

学生からは「記事を直接、添削してもらうことで課題や改善点を実感できた」「作文に苦手意識を持っていたが、冒頭の一文を褒められて自信がついた」「座って講義を聞く以上に体験をしてみることで知識が身についた。濃い2日間だった」などの声が聞かれました。

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